電気主任技術者(以下、電験)の問題は、大別すると計算問題論説問題の2つがあります。
これは一種・二種・三種に関係なく言えることで、他の理科系の資格試験でも同じだと思います。

計算問題はほとんどパターン化されており、過去問を適当な数だけ解けば、自ずと必要な公式や解法が見えてくるようになります。
一種くらいの難易度になってくると、2つ以上のパターンが融合された問題が出る場合もありますが、基本的にはパターンが身についていれば対処可能です。


それに比べて論説問題というのは少々やっかいです。
一次試験の場合は語句の穴埋め問題がそれに当たり、二次試験の場合はテーマが与えられてそれに沿った内容を記述していく問題が該当します。

論説問題の対策として、多くの知識を記憶するというスタンダードな方法がありますが、これは非常に大きな労力と時間を必要とする勉強法です。
電験受験者はサラリーマンの方が多く、普段の仕事の傍らで空き時間を見つけて勉強しなければならないため、もっと効率的な方法があればと思っている方も多いと思います。

断言しますが、効率的な方法はあります!
そもそも、この世の中にあるすべてのモノ(設備など)、この世の中で起こるすべてのコト(現象など)には、必ず理由があります。

例えば『火力発電所の熱効率向上策を述べよ』という問題が出たとき、一般的な参考書や解説サイトでは8個ほどの向上策をただ単に羅列して紹介しているだけで、それを見た受験者は「これを暗記しなきゃ!」と思ってしまいます。

しかし、この問題は『熱効率向上につながる要素は何か?』をきちんと把握すれば、自ずと向上策も浮かんでくるのです。
詳しくは火力発電の記事で今後まとめるので詳細は省きますが、熱効率の向上には『熱サイクルの効率向上』と、『発電機の効率向上』という2つの方法があり、熱サイクルの効率向上のためには、『熱サイクルの仕事量を増やす』か、『熱サイクルの損失を減らす』という方法があります。

ここまでくれば、火力発電の仕組みを理解しているだけで「熱サイクルの仕事量を増やすためには、蒸気温度や圧力を増やせばいいな!」と、自ずと導き出せるようになるのです。


このように問題を筋道立てて論理的に整理することで、がむしゃらに暗記するよりも効率よく脳にインプットでき、頭の中がすっきりと整理されます。


実はこの方法、インプットだけでなくアウトプットも効率化されます。
そのあたりはまた次回。