キーワード:周波数、発電機回転数と周波数の関係、需給バランスと周波数変動、周波数維持の重要性

周波数とは?

前回までの記事(発電所での昇圧需要家前での降圧変圧器のしくみ)を通して電力系統についての概要が分かったところで、電力系統に必要な基本的な要件について説明します。
その要件とは、周波数の維持、電圧の維持、安定度、事故対策の4つと言われていますが、今回は『周波数の維持』について見ていきましょう。
交流は以前説明した通り、大きさがプラスになったりマイナスになったりと常に変動している電圧や電流のことをいいますが、特に下図右側のように同じ波形を何回も繰り返しているもののことを指す場合が多いです。

周波数とは交流特有のもので、1秒間に同じ波形を何回繰り返したかを表す値です。たとえば東日本だと50Hz(ヘルツ)の周波数の電気が発電所から送られてきていますが、これは0からプラスになり、また0に戻ってマイナスになり、そして0に戻ってくるという1周期を、1秒間に50回繰り返しているということになります。

ここで発電機について思い出してみましょう。
発電機のループを貫く磁束も、回転するにしたがって増加したり減少したりを繰り返していました。
そして1周すればまた元の状態に戻ります。
つまり、発電機から発生している電圧は1回転を1周期とする交流電圧であるということになります。
これが東日本では50Hzということなので、発電機は1秒間に50回転しているということになります。
実際には回転軸が半回転や1/4回転するごとに電圧のプラスマイナスの波形が1周するように、磁極の配置をうまく工夫したりしています。
(磁極の配置に関する詳細は今後説明します。)

つまり発電機の回転数と発生する電圧の周波数には比例関係があるということになります。

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周波数は変動する

電気と一般商品の大きな違いは、貯蔵できないことであると言われています。
一般商品は作っても売れなければ在庫として貯蔵しておくことが可能ですが、電気は作った瞬間に作った分だけ消費しなくてはなりません。
(蓄電池などもありますが、電気エネルギーからほかの形のエネルギーに変換して貯めているだけで、あくまで電気という視点から見たら貯蔵はできません。)

それでは余ったり足りなくなったりしたらどうなるか?
結論から言えば、需要が供給を上回ると周波数が下がり、需要が供給を下回ると周波数が上がります。


電力系統は複数の発電機送配電ネットワーク需要家の3つの要素から成り立っています。

発電機は回転という機械的なエネルギーを電気エネルギーに変換しており、逆に需要家の負荷の大半はモーターを使用しているため、電気エネルギーを機械的なエネルギーに変換して消費されています。
つまり機械⇒電気⇒機械という形なので、下図のように複数人乗りの自転車を漕いで何かしらの重量物を持ち上げているようなイメージで考えることができます。

この絵でいう重量物が重くなった場合、電力の需要が増えることと同じなので、それまでと同じ漕ぎ方をしているとペダルは重くなって回転数は下がります。
先述したとおり発電機の回転数と電気の周波数には比例関係があるため、周波数は下がることになります。
逆に重量物が軽くなる、つまり電力需要が減るとペダルは軽くなって回転数が上がり周波数も上がります。


周波数の維持の重要性

一般家庭で使用するような電化製品の場合は、周波数が少し変動した程度では大きな影響はありません。
しかし、産業用や医療用などに使われるような精密機械の場合、周波数の正確さを利用した制御がなされているものもあるため、周波数が頻繁に変動してしまうと使い物になりません。
そして何よりも、周波数があまりに大きくなり過ぎたり逆に小さくなり過ぎたりすると、発電機そのものへの負担が非常に大きくなってしまうため故障につながる恐れがあります。
したがって周波数が変動しないように高精度な制御がなされています。

需要というのは要するに電気を使うことなので、我々がスイッチを押すという非常に簡単な動作だけですぐに変動してしまいます。
そういった我々の気まぐれに追従するために、電力会社は発電機の回転数を調節するなどの非常に敏感な制御をしているということになります。




まとめ

①周波数:
1秒間に繰り返される波形の数

②発電機の回転数と電気の周波数:
比例関係

③需要増減と周波数変動:
需要増 ⇒ 周波数低下
需要減 ⇒ 周波数上昇

④周波数変動による影響:
精密機器が使用できなくなる
発電機へ大きな負担がかかる


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