電験と電卓

電験(電気主任技術者試験)を受験したことがある方ならば、電卓の重要性はよく理解していると思います。
理論はほとんど計算問題だし、電力や機械、法規でも一部計算問題が出されます。
中でも電気回路関係の計算は、二乗やルートの計算が頻繁に出てきて、しかもそれが分母にあったりと、複雑な計算を求められるケースが非常に多いのです。

さらに電験の特徴として『関数電卓は使用NG』というものがあります。
普通の電卓だとしても付いていてはダメなキーなどもあるのでご注意ください。
詳細は電験の公式サイトで確認できます。
それでは、例えば以下のような電気回路に流れる電流の大きさを求める場合、あなたならどうしますか?

当然、計算式としては以下のようになりますよね。

電験の受験者ならばこの式の導出でつまずくことはないと思いますが、それでは実際に試験中にこの問題が出たときに、あなたはどのように電卓を操作しますか?


電卓活用テクニックを知らない場合

電卓活用テクニックを全く知らない方は、もしかしたら以下のように操作しているかもしれません。

『2.5』『×』『2.5』『=』
②出てきた『6.25』を紙にメモ
『3.5』『×』『3.5』『=』
④出てきた『12.25』を紙にメモ
⑤『6.25』『+』『12.25』『=』『√』
⑥出てきた『4.30116』を紙にメモ
⑦『100』『÷』『4.30116』
⑧出てきた『23.2』が答え

非常に長いです。
でも、このように操作している方も結構いるのではないでしょうか?

この方法だと、途中で紙にメモする過程を3回も繰り返さなければなりません。
メモをミスれば、またメモしたものを打ち込むのをミスれば、当然答えが変わってきてしまいますから、紙にメモする過程は極力減らして、一発で計算できるのが望ましいですよね。

これからお教えする電卓活用テクニックを使えば、一発で計算できるんです!

①『2.5』『×』『=』『M+』『3.5』『×』『=』『M+』『RM』『√』『÷』『=』『×』『100』『=』
②出てきた『23.2』が答え

なんのことか分からないと思いますので、詳しく解説していきます。


二乗の計算・メモリ・逆数の計算

まずは二乗の計算ですが、同じ数字を2回打たなくても、『×』『=』で求めることができます!

例)2.5の二乗
①『2.5』『×』『=』
②出てきた『6.25』が答え

これはだいたいどんな電卓でも使える技です。


続いて、メモリの活用です。
だいたい電卓の上の方に並んでいる『M+』『M-』『RM』『CM』というキーのことですが、使い方はご存知ですか?

例えば先の例のように2.5の二乗と3.5の二乗を足すという計算は、メモリ機能を知らないと、それぞれの二乗の値を紙にメモして、それを足すという操作をしていると思います。
その『紙にメモする』という行為を『電卓内にメモする』ことに置き換えてくれるのがメモリ機能です。
計算して値が出たら、『M+』を押すことで、電卓のメモリにその値を足して保存してくれます。
逆に『M-』を押せばメモリからその値を引いて保存してくれます。
そしてメモリ領域内に今溜まっている値を呼び出すのが『RM』で、逆にメモリをリセットするのが『CM』となります。

例)2.5の二乗と3.5の二乗の足し算
①『2.5』『×』『=』『M+』
②『3.5』『×』『=』『M+』
③『RM』を押して出た値が答え

紙へのメモと違って、電卓へのメモは100%書き間違い、打ち込み間違いをすることがありませんので、活用しない手はありません。


最後に、逆数の計算です。
計算で出てきた分母の数字をメモして、『1』『÷』『メモした数字』『=』などと打っていませんか?
こんなやり方だとメモを間違えたり、メモしたものを打ち間違えたりしてしまう恐れがあるばかりか、時間もかかってしまいとても非効率です。

実は逆数は簡単な操作で求めることができるのです。
それは『÷』『=』です。

例)50の逆数
①『50』『÷』『=』
②出てきた『0.02』が答え

すごく便利ではないでしょうか!?
これはほとんど知られていない電卓の使用法ですが、電験の計算では使う頻度がかなり高いため、知っていればライバルに差をつけられるテクニックでしょう。

しかし残念ながら、この機能が備わっていない電卓は結構多いのです。





最高の電卓の選び方

『電卓なんてどれも同じじゃん』と思っている方も多いと思いますが、少なくとも逆数計算のできる電卓とできない電卓があることはお分かりいただけたと思います。

また、打ち込み間違いを起こしやすい電卓というものもあります。
それはキーの感度の悪い電卓です。
電験は時間との勝負という面もあるため、押したキーがしっかり反応しているかをいちいち確認するような事態はできれば避けたいところです。
押しているのに反応しないことがあるような電卓だと、高速で打ち込んだときにちゃんと認識されていないことがあるため、キーの感度が良い電卓を選ぶ必要があります。

あとは基本的なところで『√』キーがない電卓もたまにあります。
これは基本的過ぎて意外と見落とすポイントでもありますので、ちゃんと『√』キーが付いていることを確認しましょう。

まとめると、

①二乗・逆数計算ができる
②キーの感度が良い
③『√』キーがある

というのが、個人的には良い電卓の条件だと思います。
この条件をもとに、電機屋さんで実際に電卓を手に取ってみて選んでください。

ちなみに私が愛用しているのは以下の2つです。

①シャープのEL-W221-X
手帳サイズで持ち運びが容易。
カフェなどで勉強する際に持って行く用。

SHARP 手帳タイプ電卓 税計算 演算状態表示 早打ち ツインパワー 大型表示 EL-W221-X

新品価格
¥608から
(2015/8/7 12:39時点)


②シャープのEL-VN82-NX
やや大きめのサイズなので打ち込み間違いを防げる。
カラーバリエーションも豊富で、これのブルーがカッコいいのでこれにした。
本番用。

シャープ 電卓50周年記念モデル ナイスサイズモデル ゴールド系 EL-VN82-NX

新品価格
¥2,036から
(2015/8/7 12:36時点)



人気ブログランキングに参加しています。
クリックしていただけたらとても励みになります!! 
 
電気・電気工事ランキングへ