京浜東北線の蒲田付近で今度は沿線火災があって、およそ1時間半もの長時間にわたって運転見合わせとなったようです。

2015年8月9日 京浜東北線沿線火災

最近、JR東日本、それも京浜東北線がやけにトラブル続きですね。
4月に発生した京浜東北線の電化柱倒壊事故東北新幹線の架線断線事故、そして先日の京浜東北線の架線断線事故などなど、大きなものだけでもこれだけ挙げられます。

ちなみに京浜東北線の架線断線については記事も書きましたので、ご参考にどうぞ。



今回の沿線火災は、先に挙げた最近のトラブルと比べると完全にもらい事故なので仕方がない気がしますが、それでも高圧ケーブルが燃えてしまったというのは致命的なダメージですね。

高圧ケーブルとは、信号機に電力を供給するための電線のことで、これがないと信号機が点灯しなくなってしまいます。
鉄道は設備が故障しても安全側に転ぶようにできているため、高圧ケーブルが燃えてしまい信号機が光らなくなると、電車は動くことができなくなってしまいます。
このように安全側に転ぶことを『フェールセーフ』と言います。

高圧ケーブルというのは『安定』な輸送に必要不可欠な設備であるため、最近では難燃ケーブルと呼ばれる、火災程度では燃えたりしないような素材のものが使われます。
当該区間で実際にどんなケーブルが使われていたかは知る術がありませんが、もしも難燃ケーブルが使われていなかったのであれば、今後は沿線の建物との距離が近いところを中心に、ケーブルを難燃性のものに取り替えていく必要があるのではないでしょうか。


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ちなみに、電車線設備にも、もらい事故を防止するための設備として『電柱防護』というものがあります。

これは黄色と黒の縞模様の鋼材が電化柱下部を覆うようにして組まれているもので、誤ってクルマが突っ込んできたとしても、この鋼材が破損することでその内側にある電化柱には傷一つつけさせないようにするための設備です。
もし電柱防護がなく電化柱にクルマがぶつかってしまった場合、最悪の場合は電化柱が倒壊するかもしれませんし、そこまでは至らないとしても、電化柱が傾斜してしまい、それによって支持しているトロリ線の位置が大きくずれてしまうことで、パンタグラフがトロリ線とうまく接触しなくなるなどの問題が生じる恐れがあります。

このように、沿線からのもらい事故であってもあらかじめ対策を練っておくことは非常に重要です。
『もらい事故は仕方がない』という考えから脱却しなくてはならないということを改めて感じさせられた事象でした。


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