キーワード:インピーダンス、コイル、コンデンサ、電圧降下、フェランチ現象、電圧維持の重要性

インピーダンスとは?

今回は電力系統に必要な条件の1つである電圧の維持について説明します。

その前にインピーダンスについて説明しておきましょう。
インピーダンスとは電気の流れにくさを表すものです。
・・・という説明をすると『電気抵抗と何が違うの?』という疑問を持たれると思います。

小学校や中学校で習った電気回路は主に直流電源で駆動する回路だったので、電気の流れにくさを表すのは電気抵抗だけでした。
しかし以前も説明したように、電力系統は交流で運用されているため、電気抵抗以外にも電気の流れを妨げようとするヤツらが存在します。
それはコイルコンデンサです。

これらの素子を直流電源につなぐと、コイルには非常に大きな電流が流れ電磁石となり、またコンデンサには電流が流れず電気を貯めることができました。

しかし電源を交流に変えると、コイルの場合はそのインダクタンスLと周波数fに反比例し、コンデンサの場合はそのキャパシタンス(静電容量)Cと周波数fに比例する大きさの電流が流れるようになります。

つまりインピーダンスとは、交流回路における電気抵抗やコイル、コンデンサなどの素子の電気の通しにくさを表していることになります。


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電圧は変動する

発電所で作られた電気の電圧の大きさは一定でも、需要家で使用される負荷の大きさなどによっては、需要家まで辿り着く間に少しずつ電圧が下がってしまいます。
送電線や配電線は電気を通すための線ではありますが、実際にはわずかながら電気が通るのを妨げようとするインピーダンス成分を持っていて、そこに負荷電流が流れることで電圧が下がるのです。

これを電圧降下といい、 流れる電流が大きいほど、つまり負荷が重いほど電圧が大きく下がります。


また、逆に負荷が軽すぎる送電端の電圧よりも受電端の電圧が高くなってしまうフェランチ現象と呼ばれる不思議な現象が起こることもあります。
(実際には何も不思議ではなく理論上解明されていることですが、詳細は以後説明します。)

このように、発電所で発電した電気の電圧は、需要家に届くまでの間に上がったり下がったりと変動してしまいます。


電圧の維持の重要性

それでは電圧が変動するとどのような影響があるのでしょうか。

需要家で使う機器類には定格電圧というものが定められており、その電圧で使用することでロスが少なく効率的な運転ができるように設計されています。
したがって需要家に届けられた電気の電圧が高過ぎたり低過ぎたりすると、機器の寿命が縮まったり、温度が上昇してロスが大きくなったりして効率的な運転ができなくなります。

また、送電線にはインダクタンス成分があるという話は先ほどしましたが、実際には抵抗成分も含んでいます。
以前説明したとおり、抵抗に電流が流れるとジュール熱が発生してロスとなります。
電圧が低下すると、同じ電力を送るために必要な電流が大きくなりますので、ジュール熱が増えてロスが大きくなってしまいます。

したがって周波数と同様、電圧も変動しないように高精度な制御がなされています。


まとめ

①インピーダンス:
交流における電気の通しにくさ
コイル ⇒ 2πfL
コンデンサ ⇒ 1/2πfC

②電圧降下:
電流が流れる ⇒ 電圧が低下

③フェランチ現象:
軽負荷 ⇒ 受電端電圧が送電端電圧を超える

④需要増減と電圧変動:
需要増 ⇒ 電圧降下 ⇒ 電圧低下
需要減 ⇒ フェランチ現象 ⇒ 電圧上昇

⑤電圧変動による影響:
需要家 ⇒ 機器の寿命短縮、ロス増加
送電線 ⇒ ロス増加


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