先ほど横浜線電化柱折損により、朝10:00過ぎまで運転見合わせ状態になっていたというニュースを見ました。

2015年12月3日 横浜線電化柱折損


電化柱折損の現場は横浜線の鴨居駅と中山駅の間とのこと。
横浜といえば、今年の8月には桜木町駅で架線が断線するという事故も発生しています。
また、今年の4月には山手線の秋葉原駅付近で、今回同様、夜間作業上の手違いが原因で電化柱が倒壊するという事故も発生させています。
これらの事故は全て電車線にまつわる事故で、しかも全てJR東日本
日本の鉄道業界の頂点に君臨すると言っても過言ではないJR東日本がこの有様だからか、それに引っ張られるように、JR西日本でも先月、桜木町の事故と同様の架線断線事故が神戸で発生してしまいました。

電車線に携わる人間として、このような電車線関係の事故が立て続けに発生するのは非常に残念に思います。

実は、事故というのは年度末に発生することが多いのです。
発注者無理な工程を受注者に強いることによって、年度末が近づくにつれて工期が徐々に厳しくなってきてしまい、カツカツな作業計画を立てざるを得なくなって事故を起こしてしまう、というパターンが非常に多いのです。

鉄道会社はインフラを担ってはいますが、あくまで民間企業である以上、利益を追求しなくては存続することができません。
しかし本当に追求しなくてはならないのは、当然ながら『安全』です。
これを疎かにしている鉄道会社は、遅かれ早かれ衰退していくことでしょう。

皆さんはいくら性能が良くても、しばしば爆発する携帯電話が欲しいと思いますか?
誰もそんな危険な携帯電話なんか欲しくありませんよね。
それと同じで、よく事故が起こる電車になんて誰も乗りたくありません。

利益を求めるがゆえに工期を短く設定するのは、『安全』を疎かにしていることに他なりません。
事故の原因はその事故ごとに異なりますが、その背後にはこのような要因が絡んでいることが多いのです。


逆に受注者は、発注者が提示する工期が厳しいのであれば、はっきりと厳しいと意思表示し、必要に応じて延ばしてもらう措置を取ることも重要です。
それをせずに事故を起こしてしまい、後から「工期に無理があった」と主張したとしても、当然そんな後出しジャンケンは通用しませんし、先を見通す力が欠けていると見なされてしまうこともあります。

発注者・受注者が、互いに安全第一を念頭に自分のやるべきことをしっかりと認識し、はっきりと意思をぶつけ合うことが必要でしょう。


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