電車線屋による電験一種への挑戦

電車線屋は力学しかできないなんて言わせない!電磁気学や電気回路などの電気工学をマスターし電験一種の取得を目指すブログ(平成27年、ついに電験1種合格!)。鉄道電気技術(電車線技術)、発電・送電・変電・配電・電気機器・パワーエレクトロニクス等の電力技術、電験過去問(一種・二種・三種)も分かりやすく解説!目指せ第一種電気主任技術者!

カテゴリ:電力技術 > 理論

分野:電気回路

フェーザ表示のおさらい

前回はフェーザ表示について説明しました。
フェーザ表示とは、三角関数で表される扱いにくい交流の電圧や電流を、計算が容易で扱いやすい複素数で表す方法でした。
その中で、直流と同様に扱えるようにするために、最大値ではなくて実効値を用いる、という話をしました。

今回の記事では「直流と同様に扱えるようにする」とはどういう意味か?ということについて、詳細に解説したいと思います。

続きを読む

分野:電気回路

交流理論、本当に理解してますか??       

最後の更新が2017年3月4日なので、ちょうど2年ぶりの更新となります。
本業・副業ともに落ち着いてきたので、ぼちぼちブログを再開しようと思います。

記念すべき再開一発目は、やはり電気の初学者がつまずきやすい内容にしようと思い、フェーザ表示について書くことにしました。

物理を履修している高校生や大学の電気工学科に進んだ大学1年生は、直流回路は余裕だったけど、交流回路に入った途端、急にワケが分からなくなった、という方、結構いるのではないでしょうか。
しかも、ワケは分からないけど、なんとなく言われるがままに複素数を使って計算すれば、問題は解けてマルをもらえてしまう。
そうなると、「正弦波交流を考えていたはずなのになんで複素数が出てくるの?」などという疑問も持たなくなり、気付いたらなんとなくあいまいな理解のまま卒業しちゃった、という方、少なくはないのではないでしょうか。

続きを読む

キーワード:電力系統、発電所、変電所、送電線、配電線、電圧、電流、電力、発電所での昇圧の理由

電力系統とは?

電力系統という言葉をご存知ですか?
発電所で発生させた電力は、巡り巡って需要家まで届いて消費されますが、そのシステム全体のことを『電力系統』と呼んでいます。

具体的には下図のようになっています。
続きを読む

キーワード:ファラデーの法則、磁束密度、磁束、発電機の原理

ファラデーの法則

前回説明したアンペールの法則は、電流から磁界が発生するという法則でした。
しかし『電気と磁気は密接に結びついている』と説明したくらいですから、逆に磁気から電気が発生する法則もありそうな気がしませんか?

それがあるんです。
ファラデーの法則といって、磁界の中に導線のループを置いたとき、そのループには磁束の時間変化に比例した大きさの誘導起電力(電圧)が発生するという法則です。

この説明だけではワケが分からないと思いますので、詳細に説明します。
続きを読む

キーワード:反発力、吸引力、アンペールの法則、右ねじの法則、電磁石、モーターの原理

磁石について

磁石にはN極とS極があり、同じ極同士を近付けると反発し合い違う極同士を近付けると引き寄せ合うことはご存知かと思います。
そして、同じ極同士を近付ければ近付けるほど、反発する力が強くなることも実体験で知っている人が多いと思います。

磁石からは
磁力の方向と強さを示す仮想的な線がN極からS極に向かって出ていると仮定されていて、これを磁束線と呼びます。
磁束線の向きが磁力の方向で、磁束線の密度が磁力の強さを表しています。
続きを読む

↑このページのトップヘ